君の隣でクリスマスを祝う

「先生言いましたよね、私の手はあたたかいって」

 昼間、待ち合わせをしたカフェの前で、日向は私にそう言った。たとえ彼自身が凍えていても、私のぬくもりを感じることはできるのだ。

「先生の手が冷たいのなら、私が両手であたためます」

 握る手に力を込める。

「たとえ先生の手が冷たいままでも、私はこの手を離しません」

 涙はもう、止まっていた。


「私がずっとあなたの隣にいます」


 張り詰めていた日向の表情が、ふっと緩んだ。私の頬に触れると、再びマリア像のある窓へと視線を戻す。

 日向は窓の前に立つと、彼女を覆う雪を払い落とし、細い声で呟いた。

「感謝します」

 春日さんにそうしたように、深く深く頭を下げる。

「……私も」

 日向の隣に立ち、私も彼女に感謝を捧げた。

「私も、先生と出会わせてくれたこと、心から感謝します」