君の隣でクリスマスを祝う


 玄関先で見送る春日さんに、日向は来年の約束をして、慈愛園を後にした。

 凍る雪に足を取られてしまわないよう、日向が私の手を握る。来た時と同じ、街灯が照らす雪道を歩き、教会の前へと出た。


 そのまま車に向かうのかと思いきや、突然日向が歩みを止めた。

「先生?」

 教会の前で立ちつくす日向の視線を辿ると、窓を塞ぐ雪の隙間から、ステンドグラスで描かれたマリア像の半面が覗いていた。

「三十年前の今日、僕はある人とここに来ました」

 突然話し始めた日向に驚いて、街灯に照らされた彼の横顔を見上げた。眼鏡の奥の瞳は一点を見つめたまま。その表情は掴めない。