夏休みが始まって数日たった頃、私は絢香の家の前に立っていた。



絢香の家は学校の近くの駅から数駅のところにあって、そこから5分ぐらい歩いたら着いた。



インターホンを押すと、少しして絢香が顔を出した。



そしてその顔を歪ませた。



「なにその荷物。山じゃないんだけどここ。山籠りですか?」



「あ、ははははは.....」


絢香視線は私が両側に担いでるバックに注がれている。



確かにここまで来るのに、何回も振り向かれたけど、電車でも邪魔になったけど!



色々やりたいこと多すぎて詰め込んでたらこんな量になっちゃったんだもん!



「まぁ....入れば?」



そう言ってドアを開いて開けておいてくれる絢香。



何だかんだ優しいと思う。



「おじゃましまーす。」