そう言って陽斗はいちごのゼリーを渡してくれた。 風間一家は私がいちご好きなのを知っているから、いつもいちご味のケーキが一個は入ってるし、すぐに私に渡してくれる。 「藤井はどうする?」 悠斗が箱を開いて絢香に聞いている。 「あ、ありがとう。二人のお父さんってケーキ屋さんなんだね。」 絢香はグレープフルーツのゼリーを取った。 二人もそれぞれ自分のを取って食べ始めた。 口のなかに広がる甘酸っぱさ。