走ったあとで疲れてたのに.....


「あの....」


「ん?なに?」


「今って何時ですか?」


「んー運動会が終わってみんな帰ってる頃かしら。」


「えっ」


外を見ると、空が赤く染まっていた。


いくら最後の方の競技だからって寝過ぎだよ私....


がっくりとうなだれていると、保健室のドアが開いた。



「せんせー律花は....って起きてたのか。」


「あらさっきのイケメン君。」


入ってきたのは悠斗だった。


「やめてくださいよ....律花、大丈夫か?」


「うん。ごめんね運んでもらっちゃって。」



「いや、いいよ。じゃあ先生ありがとうございました。帰るぞ、律花。」


「えっあっ先生ありがとうございました。」


悠斗に引っ張られて保健室を出る。


「あ、バック。」


バックはまだ教室にあるはず。


「ん。」


悠斗は私の腕をつかんでいるのとは逆の手を上げた。



そこには二つの鞄。


教室から持ってきてくれたんだ。


「帰るぞ。」


またそう言うとすたすたと歩いていってしまった。