前の競技が終わり、入場する。
さすがリレーというか、今日一番の賑わいで、トラックのまわりに人がごった返していた。
パァーーーーー.......ン!
第一走者が走り出した。
悠斗が注目されていたけど、今年の一年生はみんな足が速い。
私の番になる頃には、一年生が一番だった。
応援も盛り上がっていて、緊張度がマックス。
一位といっても差はわずか。
私が走り出したのとほぼ同時に三年生の先輩が走り出した。
「あっ!」
応援している人がざわめき出す。
それは、私が転んだからだ。
三年生の先輩の肘がぶつかり、突然のことに倒れてしまったのだ。
どうしよう。どうしよう。どうしよう。
私が転んだせいで、あっという間に一年生がビリになった。
膝から血が出ている。
痛い。


