「あ....絢香ちゃん....」


その子たちは周りを見渡した。


「大丈夫。トモはいない。」


そう告げると、三人は分かりやすく胸を撫で下ろした。


そして私を見て、泣き出した。


「絢香ちゃん本当にごめんなさい!」


三人は私に頭を下げた。


「うん。いいよ。頭あげて、話、聞かせて?」


三人は私に潤んだ瞳を向けて話始めた。


内容は、私に関わったら、あの下級生と同じような目に遭う。というものだった。


「そっか....それじゃあ仕方ないよね。今までありがとう。.....じゃあね。」


私はきびすを返して、歩き出した。



「待って絢香ちゃん!知ってたの私たち。絢香ちゃんが斎藤さんたちを止めようとしてこうなっちゃったんでしょ?
絢香ちゃんは優しいし、強いよ。私たちが弱いせいで絢香ちゃんがこんな目に合うなんて.....。」


私は振り返らない。


「ううん。弱くなんかないよ。私、三人大好きだよ。だから.....バイバイ。」


絢香ちゃん!と繰り返し叫ぶ三人をの声に耳を背け聞こえないふりをして教室に戻った。