あの時の私の行動は、自分でも驚くものだった────。
「あっでも。私お金ピンチなんだよねー」
一人が恐る恐る言った。
機嫌を損ねないように。
怒らせないように。
色々な心配をしながら言っている。
「えー?じゃあ......あ。」
トモがなにかを見つけた。
それは今日お金を取り上げたばかりの子だった。
トモが名前を呼ぶと、分かりやすく肩が跳ねた。
怯えた表情をしていた。
「そんなに怖がらなくてもいいじゃん。」
────どうしてそんな行動をしたのかわからない。
昼に見た光景を思い出したからか。
足が動いた。
「ねぇトモ。今日はやめない?」
トモとその子の間に立ってそう言った。
「なに.....言ってんの...?」
怒らせちゃった。
無駄に冷静な頭でそんなことを考える。
「なに私に指図してんの!?」
ドンッと突き飛ばされ、床に倒れる。
誰かが助けてくれるわけない。
トモに歯向かった瞬間、私は全員の敵になった。


