待ちに待った運動会.....と実行委員が話す中、運動会が始まった。
空はあいにくの曇り空。
『本当に欲しかった友達があの人たちなの?』
藤井さんの言葉があのときから頭から離れなくて、斎藤さんたちともぎこちなくなっていた。
パンフレットを見ると、私の競技はまだまだのようだった。
椅子に座って、始まった競技を見ていると、女子の悲鳴が聞こえた。
「りっちゃん!」
原因は陽斗だった。
「次、俺走るから、応援してね!」
「うん!」
次は100m走です。とアナウンスが聞こえた。
「あ、行かなくちゃ!」
ブンブンと手を振りながら、颯爽と走っていった。
どこかもっと近いところから見ようかな。と席をたったときに、斎藤さんに声をかけられた。
「律花。ちょっといい?」
「.....うん。」
嫌な予感がした。