「─────え?」 そこには誰もいなかった。 教室の真ん中に手紙が残されていた。 『ごめん!急用だから先帰るね』 急用なら仕方ないよね。 そう思わなきゃいけないのに、疑ってしまう。 本当に急用なの? この前もそうだったよね。 遊びに行っちゃったんじゃないの。 そんな疑いの思いがぐるぐると頭を回る。 私はそんな思いをブンブンと頭から消して、看板作りに取りかかった。 看板をペタペタとペンキで塗る。