「終わったー」
今日もつまらない授業がすべて終わって放課後。
おもいっきり伸びをする。
今日は看板を作る日だ。
どれだけボランティアが来てくれるかはわからないけど、係自体の人数が多いから、来なかったとしても、なんとかなるかな。
私は看板を倉庫へ取りに行くことにした。
斎藤さんたちにも声をかけようと思ったけど、話が盛り上がっていて、なかなか間に入ることは出来なかった。
一人じゃ倉庫にたどり着けないかも、と不安になったけど、他のクラスの係の人もいて、着いて行ったら、倉庫についた。
看板はなかなかな大きさなようで、倉庫は体育館横の大きな場所だった。
文化部の私は近寄ることもなかったからなんだか新鮮。
中に入ると、砂埃が舞ってくる。
少し咳をしながら奥まで進んで、お目当ての看板を持ち出す。
意外と大きいな、看板。
引きずるようにして自分の教室へ向かった。
なんとか看板を持ってきて、教室に戻ると大道具係が揃っていた。
そしてその端でなんと藤井さんもいた。
藤井さんはたぶん私のことが嫌いだと思うんだけど、残ってくれたんだ。
そのことに少しうれしくなる。
嫌われたままは嫌だから。
案の定ボランティアは藤井さんだけだった。


