部屋の窓を開けるとすぐ手の届く場所に隣の家の窓がある。 コンコンとノックすると、カーテンが開かれて陽斗が顔を出した。 私を見るとカーテンを開けた。 「やっぱり、家に誰もいなかったんだ。灯りついてなかったもんね」 陽斗は私がここに来る理由をわかっている。 「そっちいっていい?」 「うん。いいよ」 陽斗は窓を全開にして招き入れてくれた。 私は窓をつたって二人の部屋に足を踏み入れた。 「部屋に来るのも久しぶりだね」 「うん」 私の部屋と二人の部屋のカーテンは常に閉められている。