仕方ない、一人で配ろうかな....。


一緒に配ってもらおうとか考えていたんだけど。


まだ教室に人は少ない。


列ごとに一番前に席にまとめて置いていく。


これだったら速いかも。


すると、


「あんた、バカじゃないの?」


配ろうとした手が止まる。


顔をあげると、藤井絢香さんが私をにらんでいた。


藤井さんはクラスでも浮いていて、一匹狼のような人。


黒上のショートヘアーがその印象を倍増させる。


藤井さんはそのまま私をにらみながら、配ろうとした紙を私から奪い取った。


そして後ろに回した。



今まで話したこともないような人に突然そんなことを言われ、どうしていいかわからない。


「どっか行け」的な視線を私に向ける藤井さん。