あまりにも悠斗の人気が高く、マネージャーは定員を越えて抽選になったらしい。
そして今でも練習を見に来る人がいるのだとか。
「一人なんだね」
思った疑問をぶつけてみる。
帰りも女子に囲まれて帰っているのだと思っていたから。
「帰り遅いから、誰も残っているやつなんていねーよ」
私の言った意味がわかったらしくそう答えた。
やっぱり、女子に付きまとわれるのはいい気分ではないらしい。
しかも悠斗は昔から女子よ仲良くするタイプではない。
そこがクールでいい、という女子の声を聞いたこともあるけれど。
悠斗は少し不機嫌そうに言った。
「律花が見えたから、いつも帰ってるやつらと別れたんだけど、今日なんかあった?」
「私、大道具係になったんだけど、その説明会的な感じ」


