私の方がずるいし、汚い。 「ぷっ変な顔」 「絢香のせいなんだけど」 離された頬がじんじんと痛む。 「絢香、どうして黙ってたの?……って私が言うのはおかしいけど」 「黙っててごめん……嫌われると思って」 「律花はいつもなにか溜め込んでる気がする。前になにかあったんでしょ?言ってくれるまで黙っていようと思ってたけど、辛いなら、話してよね?」 絢香の真剣な顔を見て、この人なら話せる、そう思った。 私の過去を―――。