「私、そろそろ行くね。」 絢香の横顔はきりっとしている。 私をちらっと見た後、絢香は悠斗を呼び出していた場所に向かって走っていった。 姿が見えなくなってから壁にもたれかかっていた私はずるずると座り込んだ。 薄暗いからばれてないかな。 ばれていないといいな。 ...隠しきれていないこの顔を。 そうして少ししたらすぐに、 ドォ―――ン... うつむいていたのに自然と顔を上げてしまうから花火は不思議だ。