「はードキドキする。」


文化祭が終わり外も暗くなったころ。



今はそれぞれが文化祭の終わりを楽しんでいる。


今は六時半。


花火は七時から始まる。




「がんばってね。」


さっきまで顔を仰いでいた絢香が急に真面目な顔になって私を見た。


「いいの?」


「なにが?」



なにもかも見透かれそうで目をそらす。



絢香は私を見るのをやめて空を見た。


今は外で花火があがる時間を待っている。



あと十分。



あと十分で――――決まる。