「あ!りっちゃん!」 陽斗は私たちを見つけると駆け寄ってきた。 「すごいね。この人気。」 「うん。最初は厨房で仕事しようと思ってたんだけど、女子たちが接客しろって怖くて。」 苦笑いの陽斗。 確かに陽斗効果で儲かりそうだ。 「一年の優勝はこのクラスかな。」 「そうだね。」 絢香の意見に同意する。 文化祭は売上順にランキングがあって、一位だったクラスは購買無料券がもらえるのだとか。 陽斗のクラスがぶっちぎりで一位だと思うのに、陽斗は首を振った。 「いや、まだわかんないよ。」 「なんで?」