髪が顔にかかっていたから払いどける。 コテンと顔をこちら側に傾けた。 露わになった唇を見る。 りっちゃんの顔に合わせて顔を近づける。 でも、あと数㎝のところで止めた。 なんにも知らないりっちゃんがさっきと何ら変わらない様子で寝ている。 頭をなでながらつぶやく。 「りっちゃんはなにもわからないんだろうな。」 こんなにも長い間思い続けているのに。