練習俺のばん・・・・・

萌「違う!!
  野中君、ダメ!!
  そこはもっと─────────・・・・・」


何も聞こえない
ボォ~~~~~っとしてしまう

萌「聞いてるの!?」

彩「(ボォ~~~~)」

萌「・・・・少し・・・
  休憩しましょうか・・・・。」

ん?休憩って言った?

乃「彩人・・・・。」

彩「ん?」

乃「来て。」

彩「え~?
  何々?
  愛の告白?」

乃「バカ・・・。」

彩「アハハ!」

乃愛瑠に連れてこられた場所は
旧音楽室


彩「ここって落ち着くな。」

乃「でしょ?
  ここは誰も来なくて私のお気に入り。」

彩「そっかぁ・・・・。」

乃「今は、無理して笑わなくていいよ。」

彩「え?
  なんのこと?」

乃「はっきり言ってさ。
  その顔嫌。
  なんかむかつくの。」

彩「え・・・・?」

驚いた
乃愛瑠はもともと俺らの
顔に興味がないけど
さすがに笑顔には弱いと思ってた
どんな奴でも笑顔を見せれば顔を赤くする
乃愛瑠だってそんな女の子たちと同じ
だと・・・・・・

でも、乃愛瑠はやっぱり違ってて
作り笑いにも気づいて・・・・・・・・・

鋭いやつ・・・

乃「何があったのかしらないけど
  やめて。」

彩「聞かないの?」

乃「本人が言う気ないのに
  聞いたりしないわ。
  私だってまだあなた達に
  言うつもりないし。」

彩「まだ・・・
  なんだ・・・・・。」

乃「・・・うん・・・・。」

彩「いつかは言ってくれる?」

乃「さあ・・・。」

彩「ハハ・・・・・・
  じゃあお言葉に甘えて
  やめようかな・・・。」

乃「・・・・・・・
  すごく泣きそうな顔ね。」

彩「キュンとする?」

乃「バカじゃない?
  ひどい顔ってことよ。」

彩「今の言葉グサッってきた。」

乃「そ」

彩「乃愛瑠は乃愛瑠だね・・・・。
  心配してくれてんのか
  してないのか全然わっかんねぇや。」

乃「心配・・・・・
  してるわよ、
  多分。」

彩「多分って・・・・・
  まあそこが乃愛瑠らしいかもな。」

乃「・・・私らしい?」

彩「うん。
  なんて言ったらええんかわからんけど
  乃愛瑠は表情や口にはださんとって
  態度には気持ちが出てる
  っちゅーか
  つかみどころがなくて
  自由で
  ちゃんと見てないと
  どこかに行ってしまいそうな
  危ない奴。

  まあ、とにかく不安なんや。
  素直じゃないからわからんの。
  あいつと一緒で
  もっと怖いんや・・・・・・・。」

乃「・・・・・・。」