【莉緒side】


──キーンコーンカーンコーン


4限目の授業の終わりを知らせるチャイムが鳴ると同時にあたしはお弁当を手にして立ち上がった。


「楓菜!行ってくるね!」


楓菜にそう告げると、行ってらっしゃいと笑って手を振ってくれた。


手を振り返しながらダッシュで教室を出て、理科準備室へと向かった。


──ガラッ!


勢いよく開くとたばこを指に挟み、煙を吐き出す先生がいた。


「そんな急いで来なくていいのに」


ハァハァと肩で息をするあたしを見て、先生が笑って言った。


「ちょっとでもはやく先生に会いたいから」


先生の隣に座りながら、言う。


すると先生は少し顔を赤くさせた。


あたしと先生が付き合って、1年が経ち、2人のときは"先生""莉緒"と呼ぶようになった。


学校では、なかなか2人で会えないからこうしてお昼ご飯だけは2人で理科準備室で食べている。


「そうだ!先生、今日は何の日か知ってる?」