残りの新入生にもリボンをつけて体育館に行くように伝える。
最後の子が体育館に走っていくのを見ながら伸びをする。
横で莉緒も伸びをしていた。
「さっきの男の子が忘れられない、って言ってた子?」
昔のことを知っている莉緒が少し聞きにくそうに尋ねてくる。
「……うん」
もう会えないと思っていた綾人。
向こうも気づいてたよね?
綾人も会いたいとか思ってくれてたのかな…
淡い期待をしつつ、テーブルを運ぶ。
新入生のリストを莉緒と3組、4組の受付をしていた子と4人で職員室に持って行く。
「しつれーいしまーす」
ノックをしてはいっていく莉緒の後ろに続いて職員室にはいる。
「蒼井、適当すぎるだろ…」
呆れ顔でやってきたのは山川先生。
「先生!あたしのことこき使いすぎだよ〜」
「蒼井がちょうどいいとこにいたんだよ」

