年下のキミと甘い恋を。



…今、気付いた。


山川に触れてこんなにドキドキしてるのも、山川に辛そうな顔してほしくないのも、山川のキスが嫌じゃなかったのも、全部全部。


──あたしが山川のこと好き、だからだ…


自覚した途端に、顔が熱くなる。


抱きしめたまま固まって動かない山川。


顔を少しあげて山川の顔を覗き見る。


すると、耳まで真っ赤に染まった山川がいた。


背中に耳をつけるとドキドキとあたし以上に大きく脈打っていた。


「山川…」


悲しい思いばっかりさせてごめんね。


「あの、ね。あたしも山川のこと好き、だよ?」


震える声でたった今気づいた気持ちを山川に伝える。


「……………は?」


山川の返事をドキドキしながら待ってると、さっきのあたしみたいな間抜けな返事が返って来た。


「は、え、ちょ、は!?」


山川の体を離し、慌てまくる山川の前にまわり顔を覗き込んだ。


目があった瞬間、もともと赤かった顔がより一層赤くなる。


自分でもわかったのか手の甲で口元を隠した。


「えと、好き、だよ?」


信じられない、とでも言いそうな顔をするから白衣を軽くつかんでもう一度目を見て言った。