体育祭が終わり、もやもやした気持ちのまま1ヶ月が過ぎた。
結局、綾人が言った言葉の真相はわからずじまいで終わってしまった。
放課後、教室に残り宮城と莉緒と3人で話していると開けている窓からひゅーっと冷たい風がはいってきた。
ぶるっと体が震える。
「11月にもなったら流石に寒いね。
窓、閉めよっか」
窓際の席に集まって話していたのもあり、風が直に体にあたる。
あまりの寒さに窓を閉めた。
「そろそろ帰る?」
「ん、帰ろっか」
カバンを持って教室をあとにする。
宮城は友達がいるから、と別れ莉緒と2人で下駄箱に向かって校舎内をぶらぶらと歩いていると山川先生を見つけた。
「山川先生」
私が声をかけると、私たちに気付いた。
「おぉ、柏木に蒼井。
こんな時間までお前らなにやってたんだ?」
「教室で宮城と3人でしゃべってた」
「はやく帰れよー」
なんて話している私たちの横で俯いたまま、黙っている莉緒。

