年下のキミと甘い恋を。



冷やかすようなアナウンスに、周りからひゅーひゅーと騒ぎ出した。


……ほ、ほんとに好きな人なのかな…


鼓動が大きくなっていく。


緊張と期待と、少しの不安。


私の手を握ったまま1着で綾人はゴールした。


借り物が書かれた紙を生徒会の人に渡す。


生徒会の人がマイクを持って紙に書かれた借り物を読み上げる。


「知り合いの異性の先輩…?」

「はい」


綾人は首を縦に振った。


それと同時にブーイングが巻き起こる。


私はまさかの展開に固まってしまった。


好きな人じゃないの!?


期待してた自分がすごく恥ずかしくなってきた。


生徒会の人に名前を聞かれ、答えると


「知り合いの異性の先輩ということですが綾人くんとはお知り合いですか?」


と質問され、私にマイクが向けられた。


「は、はい。幼なじみで…」


私がそう言うとマイクを自分の口元に持っていき、1位は1年2組です!と大きな声で校庭に響き渡らせた。