ど、どうしよう…
緊張してきた…
ドキドキと緊張と期待で高鳴る胸をおさえる。
まだ “ 好きな人 ” はでてない…。
綾人のクラスの二走者目の女の子が綾人にバトンを渡した。
緊張はピークまで達していた。
莉緒は委員会の仕事で席を外していて、この緊張を伝えることもできない…!
綾人が借り物が書かれている紙を拾う。
5秒ほど固まり、走り出した。
な、なんて書いてたんだろう…
心なしかこっちに向かってきているような…?
どんどん近づいてくる綾人をただただ見つめる。
「楓菜!こい!!」
私のクラスの席の前にきた綾人は、私の目を見て私の名前を呼んだ。
慌てて立ち上がり、椅子と椅子の間をすり抜けて綾人の元へと向かう。
綾人は私の手を握り、走りだした。
〈おぉ〜??これは、1年2組辻岡くんが好きな人を当てたか?〉

