年下のキミと甘い恋を。



「入学おめでとう。
このまま体育館に行ってね」


新城さんは嬉しそうに軽く礼をして小走りで体育館に向かっていった。


同じことを繰り返し、1年生に行う。


「名前、教えてください。」

「辻岡綾人」


辻岡…あ…った…


………え?


勢いよく顔を上げる。


私が気づくと同時に向こうも気づいたようだった。


「あや、と…」


──そこには目を丸くした綾人が立っていた。


「ふう…」

「楓菜、つまってるからはやく!」


綾人を遮るかのような莉緒の言葉に我にかえる。


辻岡綾人、と書かれた横の空白に丸を書いてリボンを取った。


綾人の胸ポケットにつける。


「……入学、おめでとう。
このまま体育館に行ってね」


なにか言いたげなまま綾人がだるそうに体育館に向かう。


まさかこんなところで再会するなんて思ってもいなかった。