年下のキミと甘い恋を。






賑わうグラウンド。


青桐高校の体育祭が始まった。


〈800メートル走に出場する選手は入場門に集まってください。〉


3年生の学年競技を見ていると、アナウンスがかかった。


「あー。呼ばれちゃった。行ってくるね」


隣に座っている莉緒に声をかけて席を立つ。


「頑張れ!!!!」


グッと拳を握って応援してくれる莉緒に同じように拳を握って返す。


入場門にはもうほとんどの選手が集まっていて、その中にはもちろん陸上部の子もいた。


とりあえずずっと座ってたから軽くアップをして体をほぐす。


3年生の学年競技が終わり、3年生の選手が集まってから入場する。


4クラス×3学年の合計12人がスタート地点に並んだ。


800メートルだからあんまりはじめに飛ばしすぎないほうがいいよね…。


審判がピストルを高く上げ──鳴らしたと同時に一斉に走り出した。