時は過ぎ、気づけば紅葉が綺麗な季節になっていた。


「体育祭の種目決めするぞー」


山川先生が黒板に体育祭でする種目を書いていく。


ざわざわとうるさくなる教室。


「あの中だったらやっぱり50メートル走だよね」


莉緒が口をぱくぱくさせて遠くから伝えてくる。


「800メートル走が1番ない」


私は1度頷いてから同じように口パクで莉緒に言葉を伝えた。


莉緒はうんうん、と頷いた。


どんどん種目が決まっていく。


みんなが嫌がる種目から決めていくけどなかなか決まらない。


やっぱりみんな50メートル走を狙ってるみたいだ。


「全然決まらねぇなー。
じゃ、次女子800メートル走ー」


静まり返る教室。


山川先生がどうしようかという顔をしたとき、1人の女子が手をあげた。


クラスで目立つグループにいる加藤さんだ。