式の前に、クラスごとに並んでもらってリボンをつけたあとチェックをしていくことになっている。
「楓菜、2組だよね?
3組の紙がないから貰ってくるね!」
「わかった、いってらっしゃい」
職員室まで走っていく莉緒に小さく手を振る。
莉緒、頑張ってるなー。
受付のテーブルと椅子に1組、2組と紙が貼られてあって私は2組と貼られた椅子に座った。
さっき莉緒が雑に置いたリボンを型が崩れないように箱に移す。
また莉緒が走って戻ってきて…最終的に莉緒が1組と書かれた椅子に座ったのは新入生が集まってきた頃だった。
「今年もいっぱいはいってきたね」
綺麗な制服を身にまとい、少しそわそわしながら友達と話している新入生を眺めながら呟く。
「みんな、やっぱりそわそわしてるね」
莉緒の言葉に頷く。
1年前の自分たちの入学式を思い出す。
「柏木、蒼井」

