それからはほんと元通りで、見かけたら手を振り合うようになった。


「あつい〜」


あまりの暑さに机に顔をつけながら、声を漏らす。


私の前の席に莉緒が座って苦笑している。


ちなみに席替えして、私は窓側の後ろから2番目。


莉緒は窓側から3列目の1番前と離れてしまった。


クーラーもついてるんだけど男子がドアを開けたり暴れたりしてるから全然冷えない。


「あ、あれ綾人くんじゃない?」


窓から外を見ていた莉緒が声を上げた。


外を見ると次が体育なのか男子が体操服を着て外に出ていた。


指を差した方向には綾人がいて友達とじゃれあっていた。


楽しそうな綾人を見て自然と笑顔になる。


「幸せそうな顔して〜!」


その言葉に照れながらも綾人を眺めているとふと綾人がこちらを見上げた。


ぶんぶんと校庭から大きく手を振る。


私は嬉しく思いながら手を振り返した。