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高2の春。


春の爽やかな風、満開に咲く桜。


この季節になると必ず、あのことを思い出す。


綾人に想いを伝えれないまま、終わった私の初恋を。


「楓菜ー！これ、新入生につける花だって！」


たくさんのリボンで作ったお花を抱えて走ってきたのは私の親友の蒼井莉緒(ｱｵｲﾘｵ)。


大量のリボンを机にドサッと置いた。


「わぁー、懐かしいな。」


ひとつ、手に取って眺める。


「去年、あたしらつけたよね」


赤いリボンで花が作ってあってその花につけてある白いリボンに “ 入学おめでとう ” と書いてある。


1年前、私たちが先輩につけてもらったものだ。


今日は私たちが通う高校、青桐(ｱｵｷﾞﾘ)高校の入学式。


私たちは新入生の胸にリボンをつける受付の係。


「楓菜、そっちちゃんと紙ある？」


新入生の名前がクラスごとに書かれた紙。