心臓がばくばくと大きく音を立てる。
「えっと…」
口ごもる私に綾人はなにも言わず静かに聞いてくれていた。
「綾人が…女の子、といた、から」
「女の子…?」
「ろ、6月くらいに綾人が休み時間に女の子と中庭で2人で話してるの、みてっ!
その、彼女さんかな、って!
だったら、あんまり話しかけちゃだめ、かなって思っ、て…」
綾人はなんのことかわからない、という顔をする。
私は早口で説明するも語尾がどんどんと小さくなっていった。
「……はっ、はは」
ぽかんと口を開けていた綾人はいきなり笑い出した。
「???」
首を傾げる私。
綾人はひとしきり笑うと、目元に浮かんだ涙を拭った。
「…なーんだ。
なんか悩んでたのばっかみてぇ」
まだわかってない私に優しく説明してくれた。
あの子はクラスメートで同じ中学の子らしい。

