ぽかんとしている山川先生の横を通り、自分の席に戻った。


これでも一応、学年3位なんで。


心の中で山川先生に舌を出す。


少し悔しそうにしている山川先生に微笑んで返した。


外からは男子が体育をやっているのか元気な声が聞こえてくる。


窓側じゃない私は残念ながら見れないけど。



ぼーっとしていたらいつの間にか授業は終わったらしく。


授業の終わりを告げるチャイムが鳴っていた。


「楓菜!さっきすごかったね!」


興奮気味に話す莉緒に照れ臭くなる。


小さい頃から、モテてた綾人に釣り合うようになりたくて始めた勉強。


そのおかげで高校にはいってから上位3位内をキープしている。


「莉緒ぉ…、綾人の誕生日、来週だよ…」


机にがばっと倒れこむ。


もう無理だぁ…絶対渡せないぃ…


莉緒は私の前の席の椅子に後ろ向きで座った。


「もう1回ちゃんと話した方がいいって」