さっと身体を起こした。
まだ、怖い。
話さない期間が長くなるほど、綾人と会うことが怖くなった。
ここから一歩
まだ私はふみ出せずにいる。
☆
その日の放課後。
「ふーうなっ」
HRが終わり、カバンを持った莉緒が私の席の前に立った。
私も頷いて立ち上がる。
莉緒と並んで階段を降りていると、後ろから誰かに肩を掴まれた。
驚いて振り向くと、── 息を切らした綾人がいた。
「あ、やと…?」
ハァハァと浅い呼吸を繰り返す綾人を見つめる。
「お前さぁ…」
少しずつ呼吸が整ってきた綾人は呆れたように口を開いた。
莉緒は気を利かせて先に帰ったらしく、周りを見渡してもいなかった。
その代わり、他の2年生や3年生にびっくりするほど注目を受けていた。
「……場所変えるぞ」
腕を掴まれ、強引に引っ張られる。

