胸が高鳴って、顔も熱くなる。
もう一度ちらっと綾人を見る。
綾人はまだ私の方を見ていた。
ふっと微笑んでそのまま座ってしまい、見えなくなった。
だけどなぜかそこから目が離せなくて。
少し、面影はあるけどやっぱりかっこよくなっていて。
私は胸の高鳴りに気づかないふりをした。
☆
「──これで始業式を終わります。礼。」
始業式が終わり、教室へと戻る。
「あの1年生の子かっこよかったねー」
莉緒と話しながら戻っているとすれ違いざまに聞こえた声。
思わず振り返る。
上靴の色が赤ってことは…3年生か。
胸が少し痛む。
「楓菜?」
莉緒が心配そうに私の顔を覗き込んだ。
「あっ、ごめん。
なんでもないよ」
私はそう言って莉緒に笑って見せた。
「──じゃ、学級委員号令」

