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結局、先輩とは話せないまま卒業式を迎えた。
今日、渡辺先輩は卒業する。
卒業式のあと先輩を初めて見た図書室に足を運ぶ。
閉まってるかな、なんて思ったけどすっと扉が開いた。
始めはいつも図書室いるなぁ、って思ってるだけだった。
……いつからだろう。
こんなに好きになったのは。
「……ふっ………うぅ…っ…」
気づけば涙が溢れてきていた。
「せん、ぱい…」
──ガラガラッ
図書室の真ん中で泣き崩れていると、扉が開く音がして思わずそちらに顔を向ける。
「…はぁ、っ……よかった、ここにいた…っ」
そこにはネクタイを緩めてカッターシャツの第一ボタンも外して汗だくの先輩がいた。
「探したよ…卒業式にはいたのに終わった途端どっか行っちゃうから」
笑いながらこっちへ近寄ってくる先輩。
「なん、で…」
「告白の返事がしたくて探してたんだ」
その瞬間、ドクン、と心臓が嫌な音を立てる。
「返事、いらないって…」
「香音ちゃんはそう言ってくれたけど、やっぱりせっかく伝えてくれたからちゃんと返したくて」
どくん、どくん、と心臓の音が大きくはやくなっていく。

