「せーんぱい」
「わっ!香音ちゃん、久しぶりだね」
後ろから声をかけると驚いたように肩をびくつかせた後、私だとわかると微笑んでくれた。
「先輩、身長伸びました?」
会わないうちに少しだけ先輩の目線が上になった気がする。
「そうかな?香音ちゃんが縮んだのかもね」
いたずらに笑う先輩を見て、あの日のことを思い出す。
私の口元のクリームをすくって、いたずらに笑う先輩。
あの日と同じ笑顔で、ぎゅっと胸が締め付けられた。
「………き」
「え?」
「先輩が好き。好きです」
「……え」
思わず口にした言葉に自分自身で驚く。
先輩固まってるし。
……もういいや。
「渡辺先輩のことが好きなんです。
ずっと前から…」
やけになって言い切った後、渡辺先輩の顔が見れなくて俯いた。
「「…………………」」
沈黙が続く。
「…すいません。いきなり。
返事いらないです」
「え、ちょっ!香音ちゃん!」
耐えきれなくなって私から沈黙をやぶいた。
早口でそう言って、逃げるように図書室をでた。

