3組、4組の受付をしていた2人と別れ、莉緒と教室にかばんを取りに行く。


「それでね、山川がね」


その間もずっと山川先生の文句を言っている莉緒。


だけどなんとなく莉緒の顔は嬉しそうに見えた。


これは…先生脈アリかもよ?


心の中でにやりと笑う。


教室にはいり、私は窓際の席に、莉緒は私が座った席の前の席に後ろ向きで座る。


しばらく莉緒と話していて何気なしに窓を開けると風がさぁっと吹いた。


髪を抑えながらふと窓の下を見ると


──綾人と目があった。


驚きすぎて固まる。


綾人と見つめ合ったまま何秒かすると綾人は私から目を逸らし、友達のところへ行ってしまった。


……どうしてだろう。


綾人に対する恋愛感情なんてなくなったはずなのに。


──こんなに胸が痛くなるのは…