年下のキミと甘い恋を。



「……あ」


ドキドキしているのを悟られないように、と視線を落とすと渡辺先輩が手に持っていた本が目にはいった。


切ない恋物語。


私が大好きな本だ。


「ん?」


「そ、それ私も大好きなんです。
今映画化もしてて」


本を指さすと、渡辺先輩がパッとそっちに視線を向けた。


と、同時に離れる手。


手が離れたことが寂しく感じる。


「これ、映画化もしてるんだ。
はまったの最近でさ、知らなかったよ
映画も気になるね」


パラパラとその本をめくり中身を軽く見ると、微笑む渡辺先輩。


「あ、あの!よ、よかったら映画、一緒、に行きま、せん、か」


気づけばそう、口にしていた。





1週間後。


今日は日曜日。


私は、学校の最寄駅にきていた。


渡辺先輩と映画を観に行くためだ。


約束の時間まであと10分。


ちょっとはやかったかな…