そんな先輩が可愛くて頬が緩んだ。
「大丈夫です。びっくりしましたけど」
笑って言うとまだ赤い顔をしたまま、ごめんねと苦笑した。
「いつも、図書室来てる子だよね?」
「え…なんで知って…」
驚きで目を見開く。
「僕もよく図書室行くんだけど、いつも楽しそうに本読んでるなぁって思ってたんだ」
……嘘。
私も、先輩を見てたように先輩も私に気づいてくれてたの…?
鼻の奥がつんと痛くなる。
泣きたい気持ちをぐっとこらえて、声を絞り出す。
「……先輩もいつも来てましたよね?
当番じゃ、ない日も。」
私の言葉に今度は渡辺先輩が目を見開く。
「ずっと…見てたから…」
「…え」
そう言ってしまった後ではっと我に返る。
「え、え、えと、あの、ずっと見てたって言うのはいつも図書室で見かけるな、って意味でその」
慌てて、言い訳をすると渡辺先輩はホッとしたように顔を緩めた。

