今は、高飛びをやっているみたいだ。
どんどんと棒の高さがあがっていっているらしく、飛べる人が少なくなっていく。
そして渡辺先輩の番になった。
少し離れたところから助走をつけて、棒に向かって走り出した。
棒の前でたんっと力強く地面を蹴り、背面跳びで棒を飛び越えた。
わっと周りの男の人が渡辺先輩のもとへ駆け寄る。
渡辺先輩も少しびっくりしているみたいだった。
私は、渡辺先輩の姿に釘付けになった。
だって、渡辺先輩の番まで飛べる人いなかったのに。
身長が高い先輩だって飛べてなかったのに。
綺麗に飛んでみせた先輩の姿が頭から離れなくて、ドキドキと心臓が高鳴った。
「………さき。……ばさき。
柴崎香音(シバサキカノン)!!!!」
大きな声で名前を呼ばれ、慌てて立ち上がると目の前には理科の山川先生が、青筋を浮かべながら笑顔で立っていた。
「俺の授業でよそ見とはいいご身分だなぁ?」
「……ごめんなさい」

