「なにそれ!?周りにもいっぱいいたじゃん!」
2人の会話にくすくすと笑う。
「先生、そういえば入学式でなくていいの?」
「お前らを待ってたんだよ、ばか」
山川先生は莉緒の質問に答えながら、さっき私たちが渡したリストで莉緒の頭を叩いた。
「なんで叩くの!」
「はいはい、お前ら今日はありがとな。
あとは生徒会のやつにやらせるからもう帰っていいぞ」
叩かれたところを抑えながら、怒る莉緒を無視して追い払うように職員室から無理やり出される。
「山川のばーかっ!」
「はい、さようなら」
最後まで莉緒を無視していた先生は職員室から私たちに手を振った。
私と3組、4組の受付をしていた子は小さく手を振り返す。
隣で莉緒はあっかんべ、と舌を出していた。
莉緒がすぐに前を向いて歩き出したけど私は山川先生が莉緒に優しい顔をむけていたことに気付いてしまった。

