ときどき思い出す幼い頃の記憶。


私、柏木楓菜(カシワギフウナ)には忘れられない男の子がいる。


小学校3年生のとき、親が共働きで忙しく児童クラブにはいることになった。


自分よりも年下の子たちばかりで、なにもわからなくてただただ不安だった。


同じ学年の友達にいろいろ教えてもらいながら徐々に慣れていって、気づけば児童クラブにはいって3ヶ月がたっていた。


帰るときは同じ地区の子と並んで帰らなくちゃいけなかった。


児童クラブのなかで1番年上の3年生が2年生と1年生をはさんで並んで帰るのがルールだった。


そのときにいつも私に意地悪をしてくる男の子がいたんだ。


辻岡綾人(ツジオカアヤト)。


同じ地区でひとつ年下の男の子。