凛桜が去ってから中庭には彩と私だけが残る。



私はパンをパクッと加えると


「野々〜。
あんた、わざと聞いたでしょ?」


彩が、タコさんウィンナーを食べながら私に問いかける。



「なんだ。分かってて、聞きたいなんて言ったの?」


「そりゃね、私だって気になること
あるし〜」

ニコニコ楽しそうに彩が言う。



「ふぅん。
でも、今更羽鳥がどんな行動を取ったとしても凛桜を傷つけるなら許しはしないってことよ。」


「また、中学の時みたいな涙は見たくないって?」



………当たり前でしょ。



「そうね、あの子は涙が似合わない」


そう言って、ミルクティーを口に含む。