「だと思った。」
半笑いでそう言った先輩は、
まだ校舎にいるのか学校のチャイムが聞こえた。
・・・まさかもう待ってたりしませんよね。
「あ、あの・・・今日ちょっと用事があって一緒に帰れないです。ごめんなさい・・・。」
「用事って?」
「え、えっと・・・パパと・・・出掛けるので。」
どうして嘘をついたのかは分からない。
だけど三澤くんの家に行くなんて、
先輩にはなんか・・・言いたくなかった。
「そっか・・・待ってたんだけど帰るね?」
待っててくれたんですか・・・。
ごめんなさい・・・、先輩ごめんなさい。
あたしはウソつきです。