落ちてくる桜の花びらを拾うと、 あたしはそっと制服のポケットに入れた。 「むぅ~!!!」 あたしの元へ全速力で走ってきた市川さんは、 勢いよく飛び付いてくるとあたしを力強く抱き締めた。 い、痛いけど・・・っ。 「今日で皆とも離れ離れかぁ~・・・やだやだやだ!」 足をバタバタさせる市川さんはまるで子供みたい。 だけど、その気持ちはあたしにも痛い程分かった。 「離れてもずっと友達だよ。」