「ちょっとよそ見しただけです・・・。」 まぁ普通、包丁を使っててよそ見なんかしない・・・。 "佐野先輩" この名前に過敏に反応してしまう内は・・・ 「どうせ何か考えてたんだろ」 三澤くんにはやっぱりお見通しで、 だからあたしも誤魔化すのはやめた。 「・・・何でですかね。名前聞いただけなのに。」 「それさ、トラウマなんじゃねぇの」 トラウマ・・・?佐野先輩が? 「無意識の内にトラウマになってんじゃねぇの。 名前で動揺したり、いるかいないかで、 自分の思った行動が出来なかったり。」