近くで見るとその枝は今にも折れてしまいそうで、

落ちている枯れた花びらが何とも切なかった。









「それ、おふくろが親父からもらったやつ」







三澤くんの口からお父さんの名前が出たのは初めて。

だって確か片親って言っていたし・・・、


あたしも片親だから分かるけどきっとあまり触れてほしくないはず。









「親父が死ぬ前に渡したらしいけど」







重くなった空気と会話、

三澤くんのお父さんの話を聞いたら、


余計にこの花が儚く見えた。