おとなりバンパイア




「雰囲気も大事でしょ?」

「なんの雰囲気さ…」

「血を吸うためのに決まってるでしょ」


だと思ったけどね。

あー、なんか本当にバンパイアなんだなぁ。

なんて思いながら、来のことを見つめた。


瓶の蓋を開けて、口元に持っていってゆっくりと傾ける。

ごくっ、と動く喉元に、なぜだか動揺してしまった。

なんともない普通の仕草なのに。


赤くなっていく頬を見られたくなくて、顔を背ける。


「ん?なに?」

「なんでもない!」

「ふぅん…」


コトン、と瓶を机に置いた音がした。

同時にするりと冷たい手が両頬を覆う。


「え、なにしてるの来?」


「なんか赤かったから。風邪?」


「違う違う!大丈夫だから、手どけて?」


「…」


来は少しの間あたしを無言で見つめたあと、手を離してくれた。